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エミリ・ディキンスンのhandwriting その3

6herbarium.jpg

・・・私は今夜散歩に出て、とびきりの野の花を摘みました。あなたにもいくつか差し上げたい。ヴィニも私も今学期学校に行きます。とても素敵な学校よ。六十三人の生徒がいます。私は四科目勉強します。心理学、地質学、ラテン語、植物学です。何てたいそうに聞こえることかしらね。あなたはこんなたいした学科を勉強するはずはないでしょうね・・・・・・私の草花は今、見事に育ちました。この手紙に小さなテンジクアオイの葉を入れてあなたに送るつもりです。私のために押し葉にしてくださいね。あなたはもう植物標本集を作りましたか?まだでしたら是非お勧めします。たいした宝物になるでしょう。たいていの女の子は作っていますよ。あなたが作るのなら、多分、私はこのあたりに咲いている花を摘んであなたの標本にいくつか加えられるでしょう。

アバイア・ルートへの手紙から (1845年5月7日) 『エミリ・ディキンスンの手紙』より


エミリ・ディキンスンが植物を、生き物を、自然を愛していたことは、詩を読むとすぐにわかりますが、彼女は実際にとても詳しかったようです。

4年前にはニューヨークの植物園で「Emily Dickinson’s Garden: The Poetry of Flowers」という展示もあったようで、その説明には「彼女は存命中には詩人としてより庭師として知られていた」とあります

エミリと少女時代をすごしたことのあるフォード夫人が、エミリとの思い出について綴った手紙にも、

・・・彼女は自然の壮大さを好んでいたが、小さなものにも大変興味を持ち、愛情を抱いていた。
・・・彼女は、そのあたり一帯の森林についてすばらしい知識があった。彼女の行動範囲であれば、野生のものでお庭に植えてあるものでも、あらゆる植物の生育地や習性を説明することができた。彼女は自然の景観に対して広く目を開き、自然の声に耳をかたむけていた。
(『エミリ・ディキンスンの手紙』より)

とあります。


最初に引用した手紙にある、エミリが少女のころに作っていた植物標本集。
これもうれしいことに今はネットですべて見ることができます。
ハーバード大学Houghton Libraryのサイトで公開されています
写真はそこからお借りしたもの。

1839~1846年ごろ、ということなので9歳から16歳頃に作られたもののようです。


表紙の緑の革にも小さな草花模様が型押しされていて、ぴったりです。

1herbarium.jpg

2herbarium.jpg

3herbarium.jpg

この植物の貼り方がなんともいえません。
テープに名前を書いて(きちんとした学名をかいているところに彼女の植物への関心具合がうかがえます)それで留めていますが、ここに彼女の詩のことばが書かれているんじゃないかと思えてきます。

4herbarium.jpg
5herbarium.jpg

上の左から
Sisyrinchium, anceps. 15-3   Saxifraga, sarmentosa. 10-2 Sambucus, canadensis. 5-3.。

その1で見た彼女の20歳のころの筆跡とよく似ています。
Sや数字の左から右への太い線。あひるのような。
こちらは装飾的に書いているような気もします。

7herbarium.jpg

最後にひとつ。Japonica。
ぼけの一種のようです。



「私は今夜散歩に出て、とびきりの野の花を摘みました。」

草花を摘み、ひとつひとつ広げて、丁寧にならべていく。
詩を見ているような気持ちになる標本集です。

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