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英習字 その7 

ああ、直立体の大元らしきものがわかって、すっきりした・・・。

ということで、他の"vertical writing"の例を探してみました。

そして見つかったのが『The American system of vertical writing』(1894~1899)。

amricansystemofverticalwriting1.jpg

amricansystemofverticalwriting2_2014051523174698f.jpg

このお手本を書いたのが誰かは書かれていないのですが・・・。
文字の幅が広く、啄木の文字にさらに似ている気がします。

この表紙、uprightスタイルでthick&thinをつけた文字がかわいいー。
使わせてもらいます!

そしてさらに

practical vertical writing1

これは『the Penman and Artist』 (1899)。「Bound copies of Volume 5 (Issues 1-9) of The Penman and Artist」ということですので、The Penman and Artistという雑誌をまとめて本にしたもののようです。

「その1」でふれた「英習字研究」という雑誌も、このようなものを参考に出されたのかもしれません。

そのなかの「practical vertical penmanship」のサンプル。さらに啄木感アップ。
これも誰がお手本を書いたのかは書いてありませんでした。

「その6」でふれた、イギリス人のJohn Jacksonの本が1894年に出ていて、このふたつはそれとほぼ同じ時期。
やはり、イギリスでもアメリカでもこのころにはvertical writingが広まっていたようです。

この本の最初を見ると、「vertical」がよいか「slanted」がよいかというのは当時論争になっていたようです。それぞれが頑固にそれぞれのよさを主張していたようで・・・。

啄木のローマ字をきっかけに、いろんなものを見ることができました。
しらないだけで日本でも「vertical writing」で書かれたものも、たくさんあるのかもしれません。
最後の「practical vertical penmanship」のサンプルの説明に、この文字は「美しいというより実用的」とあります。近代デジタルライブラリーのなかという限られたなかではありますが、直立体の見本があったのは『商業英語入門』。
日本で実用的なwritingが必要だった人がどれくらいいたのかはわかりません。
「英習字」となると、やはり「美しさ」を感じる書体を練習していた人が多かったのかなとも思います。

でも、ローマ字日記には、あの文字しか考えられない気がします。




ついでに、『HANDWRITING: Everyone's Art』を読んでいて、おもしろかったことをひとつ。

タイプライターがひろまって、ビジネスの世界におけるhandwritingの重要性が小さくなると、handwritingが"arts and literature"との関係から再定義されることになったのですが、それが小さいこどもに筆記体ではなく、print-script、いわゆるブロック体を教えることにつながった、と。

printscript.jpg
画像はこちらから

どういうこと?と思いながら読んでいくと・・・・
このころになると「書くこと」が「個人の表現」のツールとして考えられるようになったとのこと。
ここでの「書く」は「handwriting」ではなく「writing」。
printscriptなら、小さいこどもでも書きやすい。つまり、自分のいいたいことをすぐに書いて表現できるようになる、ということ。
「美しさ」ではなく、幼いころから自己表現を可能にするかどうか、がhandwritingにとって重要となった、と。

思ってもみなかった視点でした。

学年があがって、cursive handを習うようになると、print-scriptと字体がちがうアルファベットもあるので、問題もあったらしいですが・・・。


啄木のローマ字をきっかけに、ちょっとだけですが今まで知らなかったHandwritingの世界に。産業、科学、社会の変化によってその価値や重要性もかわっていくもの。これからどんなふうにとらえられていくのかが楽しみでもあります。


しかし・・・先のprint-scriptのところで、「print-scriptをならうことで、「読む文字」と「書く文字」の間にあった壁がなくなり、読み書き同時に勉強できるようになった」というのを読んで、ふと自分のことを考えました。英語の筆記体や昔の書体は読めるのに、自分の言葉のcursiveは読めないのはどうだろう、と・・・。江戸までは草書というか崩し字での読み書きが普通だったのに、いまでは活字体しか学校では習いません。どのくらいの年代までみんながくずし字の読み書きができたんでしょう。
日本のhandwriting事情も社会と技術の変化でがらりと変わっているのですよね。

ひとまず英習字記事は、これで終わりにしたいと思います。


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