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英習字 その6 Vertical Writing

Vere Fosterのupright writingの画像がみつからなかったので、単純に"upright writing"で検索してみました。

そして見つかったのが『THE THEORY AND PRACTICE OF HANDWRITING』(1894)という本。著者はJohn Jackson。
こちらから全部読むことができます。

いろいろ検索すると、どうもこの人が強力に直立体をプッシュした人のようです。
"vertical writing"という用語になっています。(verticalというと英語の横書きに対しての日本語などの縦書きをイメージしますが・・・)

taku5.jpg
これは『A BOOK OF SCRIPT』のなかの、Vere Fosterのサンプルの隣のページで、直立体とは関係ないと思って見てなかったのですが、なんとこれがこの『THE THEORY AND PRACTICE OF HANDWRITING』からのものでした。
これは、当時世間にあふれていた様々なCopybookのお手本をJackson氏が集めたもの。あまりにも多くの種類があり、たとえば教える際にも何を基準にしてどれを選べばよいのかわからない。他の書体よりもすぐれたものを示し、それを拡げたい、というようなことがこれらの図版(p4~p7参照)を含む序文にかかれています。

(ページ下の説明に「Jackson himself wrote and advocated a vertical hand」とあり、やはり彼が直立体に熱心だったことがうかがえます)

それから、なにゆえ直立体がよいのか、という説明。
以下、ざっと読んだだけですが・・・。

まず初めにあげられているのが「hygiene」、衛生学的観点からの理由です。
傾斜のついた文字を書くためには、机に対してからだをななめにしなくてはならず、不自然で痛みをともなう姿勢になる(背骨にも首にも頭にも悪い)、両目で見る自然な動きをさまたげる・・・など。これを解決できるのが"vertical writing"だ!と。

続いて、他の利点をあげているので、いくつか。

johnjackson1.jpg
読みやすさで勝る根拠としてあげているのがこの図。
同じ感覚で線をひいていても、傾斜があると間がせまく見てて読みにくい、と。

johnjackson2.jpg

書くスピード、効率において勝る、ことを説明しているのがこの図。
同じ高さで文字を書く場合、傾斜すればするほどペンを動かす距離が長くなる、と。

効率的な書き方なので、教える際にも時間が少なくてすむ、つかれも少ないので生産性も高い。などなど。

p38、39ページに、hygienic, calligraphic, economical, educational の4つの観点からvertical writingを勧める理由がまとめてあるので、興味のある方はご覧ください。

なんだか理屈っぽすぎるなあ、という印象で、実際はそうじゃないこともありそうな気もするけれど、こどもたちにとってまねしやすい、というのはわかる気もしました。
傾斜を一定にコントロールして書くのは、こどもにとってむずかしいと思います。

本の後半に、傾斜して書いた文字と、傾斜なしで練習したあとの文字を比較した図版がいくつかのっています。

johnjackson6.jpg

下はvertical styleを練習して3か月後。

johnjackson5.jpg

練習前後かどうかはわかりませんが、エリザベス女王のものも。
極端な例をあげているのかもしれませんが、傾斜しているスタイルでかなり読みにくい文字を書いている人もたくさんいたのでしょう。

そのあとにvertical writingのmanualが出てきます。

johnjackson3.jpg

johnjackson4-1.jpg

あ。

「英習字 その2 啄木のローマ字」でふれた、傾斜のない書体がのっていた本、『商業英語入門』(早稲田商業講義編輯部)の文字と似ています。
そこでも引用したとおり、直立体を使う理由として「立体は読むで読み易く、書いて書き易く、且つまた衛生的の長所がある」とあるのですが、『THE THEORY AND PRACTICE OF HANDWRITING』でも、先に述べた通り衛生的かつ「the Most Legible, Most Rapid, Most Economical, and Most easy to learn, teach and produce」という表現もあり、直接かどうかはわかりませんが、このJackson氏の本が影響を与えているのではないかと思います。

「その5」で最初にあげた、「Vere Foster writing」の文字とも似ていますから、このJackson氏推しのスタイルは、Vere Foster由来のものかもしれません。


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