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コトバ綴ジ

Tag : 活版印刷

服部植物研究所&飫肥 1

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先日の苔記事に書いた、宮崎の飫肥にある服部植物研究所に連休の間にいってきました。

研究所の案内もシビれました(これも活版印刷です)。

家業を継ぐために帰郷したものの、苔の研究を続けるために研究所を設立した服部博士。
世界で唯一の蘚苔類研究機関で、ナンジャモンジャゴケの研究で有名で、そのナンジャモンジャ苔もここで見ることができます。顕微鏡をのぞいてみると、確かにおとなりの普通の苔の標本とはかたちが全然ちがいます。なんというか、ただ細くて茶色い草がくしゃくしゃとなってる感じで、これを「?」と思ってこの研究所に送ってくる人もすごい。

「ナンジャモンジャゴケ」。

こんなユニークな名前ですが、これがタダモノではなく。パンフレットによると「コケ学上今世紀最大のヒット」。一緒に行ったオットのたとえを借りると、「たとえば両生類でいうと、「新しいカエルが見つかった」ではなくて、「カエル」でも「イモリ」でもなく新しい両生類が見つかった」的な発見。
最初に標本が届いたときによくわからなかったので仮に「ナンジャモンジャゴケ」とつけたのがそのままになったそうな。(学名は別にありますが)

他にも公開されている標本いろいろ。
貴重な蔵書もたくさんあるようで、公開されている部屋のガラスケースには、今や世界に数冊しかないらしい、ドイツの植物学者ヨハネス・ヘドウィッグによるコケ学の基礎となった書物(1801年)。

これは貴重すぎて、誰にでも手に取ってみてもらうというわけにはいかないので、最近複製をつくられたそうなのですが、これも「自由にみていいんですか???」ってくらいのものでした。

hattori3.jpg

当時の印刷にできるだけ忠実に色なども複製されたとのこと。
紙はわざわざ漉いた手すき和紙(楮・雁皮)。製本も函も美しい・・・。
複製は一冊だけなのですが、複数刷ったページなのか、ばら売りされているものがありまして、もちろん買ってしまいました(写真右)。
写真左側は、同じ本のページがデザインされたポストカード。

hattori2.jpg

こちらはまた別に、活版印刷でつくられた苔ポストカード。
こういう細い線で描かれたものは、凸版で刷ると本当に美しいなあと思います。
すべて販売されています。

植物の姿、写真より描かれているもののほうがすっと入ってくる気がするのですが。
きちんと特徴を理解した人が描くべきところを押さえて描いているからではないかと思います。実際の色などは写真が上かもしれませんが、何も知らずに見る場合、写真で特徴をつかむより絵のほうがわかりやすい。

hattori4.jpg

内装も、雑誌のページのとおり素敵でした。
戦後すぐに個人でつくられた研究所で、机などもずっとそのまま使い続けられてきているきているようです。
公開するにあたって、ライトは新しくつけられたようですが、博士のご自宅にあったものにあわせて、レトロなもの。スポットライトも傘のふちにつけた鉄の棒(・・・)で角度を調節するもので、初めて見ました。

二階には近くの小学生のコケの研究成果なども飾ってありました。

地方の小さな都市で、特殊な研究をできる場所がずっと続いている、それが素敵でした。
(「近所の人もなにをやっているところなのかよくわからなかったので公開することにした」というようなことをスタッフの方が話してくださいましたが(笑))

誠実な雰囲気がただよう場所で、それが内装とあいまっていっそう素敵でした。

長くなったので、その2へ。

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かがみ



お日さまがしずかな空から
しずかなみずうみをみおろしている
そして木々はひっそり身をよせあっている
そこに一羽の白鳥がやってきて
みずうみで二羽の白鳥になった

(「かがみ」 『クリストファー・ロビンのうた』A.A.ミルン より 小田島雄志訳)


今日も日ざしはあたたかそうなのに、外に出るとしみるような寒さでした。
昨日は熊本でも雪がちらりちらり。

aomori1.jpg

年末から帰省した青森は、お正月にはめずらしく大雪。
ご近所に散歩にいきましたが、大通りからちょっと入るとこんな感じでした。
ずいぶん久しぶりに雪かきも。こどものころにやったことって、からだは忘れないもので、自然と体が動きます。
雪道を歩く時も、どこがすべりやすいか、どう歩いたらいいか、しみこんでるなあ・・・。
しかし、急にどっかり降ったので、雪を捨てる場所もたいへんで、路肩にはうず高く。

いまごろ、もっともっと積もっているでしょう。


文字は世につれ・・・



これはBathの博物館でみた、ローマ時代の遺跡の一部。
今とおなじアルファベット。
Ewanのワークショップではアルファベットの変遷を学んだけれど、
二千年以上前からずっと使われている、ということは
アルファベットを使う人、国がずっと存在してきた、ということで、
そして現在もある意味ではアルファベットを使う国が、優位な位置にあって
世界中で使われているんだなあと。

nk3.jpg

ふた月ほど前に、ふらりといった古本市で600円で買ったこの本。
初版は昭和22年。
この中に「当用漢字」について書かれているところがありました。

ところで・・・昭和21年に定められた当用漢字。
開国以降、膨大な数の漢字を使用することの不便さから
漢字を廃止、またはローマ字で表記、などなど議論も出たりしていましたが、
戦後、GHQのもとで定められたのが当用漢字表。
「漢字を廃止するまで当面のあいだ用いる漢字」
ということで「当用」だとか。
これは、今漢字使用の目安として定められている「常用漢字表」とちがって
漢字の使用を「制限」する目的があったものです。

この本の著者は、この当用漢字について

・・・國民たるもの、ぜひこの漢字制限運動に参加して、それぞれの立場において協力することが望ましい。

と強力に賛成。

活版印刷しかなかった当時、膨大な数の活字を持つのはたいへんだったのでしょう。
小さいところでは何種類もそろえるわけにもいかないでしょうし。
もし、制限→廃止とすすんでいたら・・・
仮名文字だけになっていたら、活字の数は圧倒的に少なくすむから、
もしかして、いろんなデザインの活字ができたりしてたのでしょうか・・・。

結局廃止にはいたらず、その後新しい印刷技術もうまれました。

当用漢字表は、昭和56年に、目的を制限から目安へとかえた「常用漢字表」にひきつがれたわけですが、昨年、改定されています。
パソコンなどの情報機器が一般に広く普及し、漢字変換で難しい漢字も簡単に入力できるので、「社会生活で目にする漢字の量が確実に増え」たことをふまえた目安とするためです。

そのなかで「漢字を手書きすることの重要性」について述べています。
情報機器を利用する場合も、複数の変換候補のなかから、適切な漢字を選択できる能力が必要であること、そして漢字を習得するためには、手で書くことは欠かせない、と。

新聞に、学校の教育現場でのデジタル化の話が載っていましたが、今後黒板、教科書、ノートすべてデジタル化の方向へ流れていくなか、「手書き」というのは、漢字の習得はもちろん、スクリーン上での学習で身につかないことを補うため、のように目的をもって行われることになるのかもしれません。目で見て、耳で聞いて、鉛筆を持って、紙に書く、という過程が意識して行われるのかも・・・。

そのような環境で育った人が世の中の大半をしめるようになったら、そのときにはまた漢字の使用の目安もかわるかもしれないし、文字のデザインもかわるかも・・・。


そもそも、百年もしたら、一般に使うのはちがう言葉で、日本語は大切に保存されていくもの、なんてことに・・・。なりませんように。


文字@旅 7

gutenberg.jpg

In Mainz, 2004

活版つながりで。
ドイツのWSに参加したあと、もう一度グーテンベルク博物館に。
すぐお隣にある活版印刷工房のようなところの壁。

活版印刷体験

letterpress2.jpg
一度目の東京滞在中、Yvesさんのワークショップ1日目のあとに、もいっちょワークショップに参加してきました。
前から一度やってみたいなと思っていた活版印刷。mojitor-hさんが声をかけてくださって、ikukoさんとともにLUFTKATZEさんにお邪魔してきました。

まずは近くのお蕎麦屋さん「高はし」で腹ごしらえ。私の好きなつなぎの入ってない(たぶん)お蕎麦で大満足。

LUFTKATZEさんは小さなアパートの一室。ぎっしり文字もの紙ものが詰まっているのがたまりませぬ。
今回は基礎コース。まずは活版の歴史や仕組みの説明から。
活字や道具の実物をみながらはやっぱり楽しい。活字の大きさの説明のなかで、東京とそれ以外のところでは規格がちがうというのを知りびっくり。(こちらに説明がありました。)

そしてまずはアルファベットの自分の名前で練習。これが・・・
「ふん、ふん、なるほどーー」とお気楽に説明聞いていたら、想像以上にムズカシイ。

今回はすべて同じ大きさ(号数)の活字を使いました。
活字以外のところに隙間を埋めるクワタをいれるのですが、この大きさは活字を基準としています。
2倍、3倍などはまだわかりやすいのですが、小さいものは1/2、1/4、そして1/3などなど。

えーっと、横幅が何文字分で、自分の名前が6文字。
まんなか寄せにするってことは、両側に何文字分・・・。
暗算で計算です。3度目の練習には「1/3」というややこしいのが入ってきまして・・・。
ということは、残りの部分を埋めるのに・・・。ぼけた頭にはキビシイ・・・(苦笑)。

活字を組むって、たいへんなんだと改めて。
熊本で名刺を刷ってもらったところが、B4だかA3だか結構な大きさまで印刷できるということだったのに、近所から働きにきているおばあちゃんが「もう名刺が挨拶状くらいしかやらない」とおっしゃってて、もったいない~と思ってましたが、とっても納得。定番でないものに対応するのって、ものすごく手間がかかるんですね。

プロフィール

sayaka

Author:sayaka
星の
かわりに
夜ごと、ことばに灯がともる
(ウンベルト・サバ 須賀敦子訳)

ことば+アルファベット+妄想。

カリグラフィーをしています。

町の写字室管理人

@scriptorium303

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