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コトバ綴ジ

Tag : ことば

マギイとミリィとモリイとメイとが(ある日のこと遊びに)海浜に出かけて行った

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・・・

メイは滑らかな円い石を家に持ち帰った
その石は世界ほど小さく孤独と同じほど大きかった

いつでも(あなたやわたしのように)ぼくたちがなくしてしまうものは
それは海でみつける自分自身のことなのだ 常に

e.e.カミングズ (『カミングズ詩集』思潮社 藤富保男訳編)



天草の海岸より。



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「片」 終わりました。



林典子さんとふたりでの展示 「片」 無事終了しました。

来てくださった方、お話しできた方、メッセージをくださった方、
みなさまありがとうございました。

光のうつろう静かな潔い部屋で、とても気持ちの良い6日間でした。

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今回はふたりでつくった作品も。

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林さんの写真と私の文字。

・・・だが、その幻もその花の一部だ。  (ヴァージニア・ウルフ 『波』 より)

どちらもうつしとられたもの。
そのものはもうどこかに消えていて、うつしたもののみが存在しています。


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こちらもふたりでの作品。
壁の模様ともつながって。

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場所、人、時間、本、空気...すべてが 「片」 、です。

・・・彼女は風に吹き寄せられた薄片のように私たちの指の間から滑り落ち、今では「無限」と呼ばれる漂流物の一部です。

(『エミリ・ディキンスンの手紙』 ノアクロス姉妹宛 山川瑞明 武田雅子 編訳 より)




あんたのほしいヒツジ、その中にいるよ

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「こいつぁ箱だよ。
あんたのほしいヒツジ、その中にいるよ」

(『星の王子さま』 内藤濯 訳)


今年の新年のご挨拶には、ヒツジ年にちなんで、この言葉を使いました。

見えてはいないけれど、探しているヒツジが見つかりますように。


昨年は、3月に平戸でみたあるものをきっかけに、お墓の文字に興味をもち、
5、6月はひたすらいろいろな国や年代の石碑やお墓の文字を見てすごしました。(もちろんwebで。こういうとき、現地にいかなくてもたくさん見られるのは、本当にありがたい。)
数百みながら、石の文字が少しはからだにはいってきたように思います。
カリグラフィーの本、文字の歴史の本でもローマ時代の石碑の文字のあとは、写本上の文字が中心になりますが、それとまた並んで石の文字の世界もあったんだな、と。古い物は年代がはっきりわからなかったり、消えてしまっているのでむずかしいのでしょうけれど、じっくりたどってみたい世界です。

見た中で、目的の時代とはちがっても、目にとまって、よいなと思ったものはチェック。
今回使った文字はそんなお墓の文字からです。

もとはこちらとこちら
あ、ドイツだなあという。

これはなにかのフォントを元にしているんでしょうか?
手元にある本では似ているものはあっても、まったく一緒のものは見当たらなかったのです・・・。
フォントも元々石の文字ではないかなと思いますが。

この文字を彫ったひとがデザインもしているのでしょうか。
どちらも、ブレーメンのお墓のものです。

牛乳石鹸のような墓石のものは、Paul Freyeという造園家のお墓。
もうひとつは・・・最初気が付かなかったのですが・・・「U51」、の文字。Uボートではないですかっ。
1918年に沈んだものが1968年にひきあげられたそうで、そのクルーが眠っているそうです。

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そして、今回、寒い、とか寒い、などの理由でシルクスクリーンは断念し、A4にプリントして四つ折りにするという形態にしました。
一緒に印刷していた写真のもとはこちらです。
昨年出かけた天草・御所浦の博物館でとったウミユリの化石。
断面だと思いますが、きれいな星のかたちでした。

ということで、誰にもわからないのですが、こっそり昨年の活動報告?にかえさせていただきました。



語ること うたうこと 書くこと その1

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しばらく間があいてしまいましたが、前回のマームとジプシーの公演から思い浮かんだことの続きです。

朗読劇を見ながら感じた気持ちよさは、モニカのワークショップで文字を書いていた時の気持ちよさと重なりました。
ひとつひとつの言葉をはっきりききとって内容に感じ入るのではなく、その語りから生まれるうねうねとした流れとリズムから伝わってくるもの。

そして、たとえすべてはっきりきこえなくても(これは私のヒアリング能力にも問題があるかもしれませんが・・・)、その流れがうまれるには言葉があることが重要。
モニカのWSで私が感じて、書いたものは、結果として読めないものになっているけれど、それはすべて言葉を書くことでうまれたもので、言葉なしでは私には書けないもの。

からだの内側からでてくる、おおもとにあるリズムを紡いでいくこと。

語ったり、うたったり、書いたりすることって同じだなと思ったのでした。

そして思い出したこと。

去年の秋、Ewanの本『The Golden Thread』が出版されたころに、BBCのラジオ番組に出演して書くことについて語っていました(いまでも聞くことができます)。司会者の、「表現するっていったって、今はいろんなフォントがあるんだし、別に手で書かなくってもいいんじゃないの?」というような発言にたいして、Ewanは、

「「かく」っていうのはそういうことじゃなくて inner need なんだ」

とこたえていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、マームとジプシーの公演から少したったころ、

「歩くこと、物語ること、歌うこと、書くこと
生きることは線を生むことだ」

というコピーの本が出ることを知りました。

『ラインズ 線の文化史』 ティム・インゴルド (LINES: A Brief History Tim Ingold)
しかも解説は管啓次郎さん。即買い。


したにもかかわらず、いまだに読んでいない・・・。
単に怠惰で積んである本に読書が追い付いてないだけでもありますが、
ものすごく読みたい気もしながら、しばらく自分でいろいろ考えてみたい気もしています。

繰り返す

(1)一度繰った糸などをまた繰る。
(2)同じことを何度も行なう。反復する。
(3)本などのページをめくる。また、同じ本を何度も読む。

(『日本国語大辞典』 「繰り返す」の項より)

もう半年近く前になりますが、熊本にマームとジプシーが来たので、見に行ってみました。
「まえのひ。」

まったく何も知らずに見に行ったのですが、そのおもしろさは女優さんのスゴさとともに衝撃的。
帰りのバスのなかで、見ながら思ったことをなにも整理せずにただ単語で書いていって、空にとばしておいたのを久しぶりに見たので(つまり、メールをひらいたってことです)、少しこちらにもメモしておこうと思います。まずは・・・「繰り返し」について。

はじまってみれば、ひとりによる朗読劇だったのですが、言葉と動作の繰り返しによって、すごい渦巻ができていくような作品でした。

この作品だけなのか、それともいつもなのか、がわからなかったのですが、数日後に偶然、以前買ってそのままだったユリイカの辞書特集を手に取ると、藤田貴大さんという方の詩が目に入りました。そしてそこでもことばが繰り返されて。
ん?確認してみたら、マームとジプシーの作家の方。(これすらうろおぼえで見に行ったという・・・)

元々繰り返し好き。文字を書くのが好きな理由のひとつ。基本的に、人はみんな繰り返し、リズム、に弱いのではないかと思っています。

繰り返すこと。がもっているもの。

・・・いく度も繰り返されて、言葉は少しずつ意味を失い、言葉のもたらす痛みも和らぐ。
(『悪童日記』(アゴタ・クリストフ 堀茂樹 訳 早川書房) 精神の鍛練 の章 より)

祖母の家に預けられた「魔女」のこどもたち。
祖母や周囲の人々が自分たちに浴びせる蔑みの言葉。
私の愛しい子! 最愛の子!・・・会えなくなった母親がかけてくれた愛にあふれた言葉。
感じるとつらいそれらを、どちらも何度も繰り返すことで、それに慣れようとしていく。


・・・詩というのは、挨拶すること、いとおしむこと、所有すること、名をあらわすことでできているのです。詩のなかにバラという言葉を書くとき、はじめはそれはこころにうつくしい絵をよびさましますが、しかし、ずっと後になってしまえば、それによって意味されるものはどんどんすくなくなって、どんなひともバラという言葉のなかに、バラをみることができなくなってしまいます。だから、私は「バラはバラであるバラであるバラは」と書くことで、繰りかえしによって、言葉に意味をゆっくりととりもどしたのです。言葉のなかに絵をとりもどしたのです。つくりだすということは、おもいだすことじゃなくて、経験することおもいだすことなしに見ることであり、聞くことであり、書くことなのです。

(『散歩する精神』(長田弘 岩波書店) 4 世界はまるい話 より ガートルード・スタインのことば)


ちょうどそのころ読んだ本に出てきた「繰り返す」ことについての一節。
意味を失う、意味をとりもどす。 
どちらも「繰り返し」の持つ力。反対のようで同じ。

繰り返すことで、遠くにいっては帰ってくる、からだに浸透していくものにかわっていくように思います。
そして、それは長く続く。まじないのようにも効いてくる。

プロフィール

sayaka

Author:sayaka
星の
かわりに
夜ごと、ことばに灯がともる
(ウンベルト・サバ 須賀敦子訳)

ことば+アルファベット+妄想。

カリグラフィーをしています。

町の写字室管理人

@scriptorium303

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